ピアノを上達させたいけれど、「忙しくて通えない」「近くに良い教室がない」とお悩みの方はいませんか?ショパン音楽教室では、オンラインピアノレッスンを通じて、どこにいても質の高い指導を受けられる環境をご提供しています。初心者から上級者まで、それぞれのレベルや目標に合わせたレッスンで、着実にスキルアップが可能です。
この記事では、オンラインレッスンの効果を最大限に引き出し、効率よく上達するための「5つのポイント」を解説します。オンラインだからこそできる学習法や、意識すべき練習のコツをぜひチェックしてください。
1. 明確な目標設定をする
オンラインレッスンでは自主的な練習時間が増えるため、明確な目標が必要です。「1曲弾けるようになる」「特定のテクニックを習得する」など、短期・中期の目標を設定しましょう。講師と相談しながら無理のない目標を立てることで、着実な成長につながります。
2. レッスン環境を整える
オンラインレッスンでは、レッスン環境が上達の質に影響します。
- ピアノやキーボード:タッチや鍵盤数のバランスが取れたものを選ぶ。
- デバイス:カメラの位置や角度を工夫し、手元や姿勢が講師に見えるように調整する。
- 通信環境:安定したインターネット接続を確保することで、快適なレッスンが可能です。
3. 練習時間を確保する
オンラインレッスンは自由度が高い反面、自主練習が重要です。毎日短い時間でも良いので、継続的に練習時間を確保しましょう。練習の習慣をつけることで、レッスンで学んだ内容がしっかりと身につきます。
4. 講師のアドバイスを活かす
オンラインでも講師からのフィードバックは対面と変わらず重要です。指摘されたポイントをすぐにメモし、次回のレッスンまでに改善に取り組みましょう。レッスン後に録画を見直すのも効果的です。ショパン音楽教室では録画レッスンの振り返りも推奨しています。
5. 小さな達成感を大切にする
オンラインレッスンは、モチベーション管理が鍵です。「1曲完成した」「難しいフレーズが弾けた」など、小さな達成感を積み重ねていくことが大切です。達成感を感じることで、継続する意欲も高まります。
まとめ
オンラインピアノレッスンは、柔軟な環境でピアノを学べる素晴らしい選択肢です。ショパン音楽教室では、ひとりひとりに寄り添ったレッスンで、初心者から上級者までしっかりとサポートします。この記事でご紹介した5つのポイントを意識しながら、楽しくピアノを上達させていきましょう!
ショパン音楽教室のオンラインレッスンでは、体験レッスンも実施中です。まずはお気軽にご相談ください。皆さまのピアノライフを応援します!
こんにちは!ショパン音楽教室の末次弘季です。
ショパンの音楽は難しいイメージがあるかもしれませんが、初心者でも取り組める美しい作品がいくつもあります。今回は、ピアノ初心者や中級者の方でもチャレンジしやすいショパンの名曲5選をご紹介します。それぞれの楽曲の魅力や演奏のポイントも解説するので、ぜひ練習の参考にしてください!
1. 別れのワルツ (ワルツ第9番 変イ長調 作品69-1)
ショパンが若い頃に作曲した比較的シンプルなワルツです。楽譜も短く、初心者にとって最初のショパン作品として最適です。
- 作品名: F. ショパン – ワルツ第9番変イ長調作品69-1
- 英語名: F. Chopin – Waltz in A-flat major, Op. 69, No. 1
- ポーランド語名: F. Chopin – Walc nr 9 As-dur, op. 69 nr 1
- 調合: 変イ長調 / A-flat major / As-dur
- 作品番号: 69-1
- 作曲年: 1835年
- 出版年: 1855年(死後出版)
- 献呈先: マリア・ヴォジンスカ(Maria Wodzińska)
- 楽器: ピアノ独奏曲
- ジャンル: ワルツ
- 演奏時間: 約2分
練習のポイント
- 左手の和音はテンポを一定に保ちながら軽やかに弾きましょう。
- 右手の旋律を歌うように演奏することで、ショパンらしい優美な雰囲気が表現できます。
2. プレリュード第7番 イ長調 作品28-7
ショパンの「24のプレリュード」の中で最も短い作品。簡潔ながらも明るい旋律が印象的です。
- 作品名: F. ショパン – プレリュード第7番イ長調作品28-7
- 英語名: F. Chopin – Prelude in A major, Op. 28, No. 7
- ポーランド語名: F. Chopin – Preludium nr 7 A-dur, op. 28 nr 7
- 調合: イ長調 / A major / A-dur
- 作品番号: 28-7
- 作曲年: 1836-1839年
- 出版年: 1839年
- 献呈先: カミーユ・プレイエル(Camille Pleyel)
- 楽器: ピアノ独奏曲
- ジャンル: プレリュード
- 演奏時間: 約40秒
練習のポイント
- メロディーラインを浮き立たせるように、伴奏の音を控えめに弾きましょう。
- フレーズの終わりを丁寧に処理し、自然な流れを意識してください。
3. ノクターン第20番 嬰ハ短調 KK IVa/16(遺作)
映画やドラマでもよく使われるロマンチックな曲。技術的にはそこまで難しくなく、初心者でも挑戦しやすいです。
- 作品名: F. ショパン – ノクターン第20番嬰ハ短調遺作
- 英語名: F. Chopin – Nocturne in C-sharp minor, Op. posth.
- ポーランド語名: F. Chopin – Nokturn nr 20 cis-moll, op. posth.
- 調合: 嬰ハ短調 / C-sharp minor / Cis-moll
- 作品番号: 遺作
- 作曲年: 1830年
- 出版年: 1870年(死後出版)
- 献呈先: 不明(練習用のため非公開の可能性)
- 楽器: ピアノ独奏曲
- ジャンル: ノクターン
- 演奏時間: 約4分
練習のポイント
- 左手のアルペジオは柔らかく弾き、右手の旋律をしっかり響かせるようにしましょう。
- ペダルの使い方を工夫して、曲全体に深い響きを与えましょう。
4. マズルカ第6番 嬰ヘ短調 作品7-1
ショパンの故郷ポーランドの民族舞曲であるマズルカのひとつ。軽やかで踊るようなリズムが特徴的な曲です。初心者にも取り組みやすい構成で、ポーランドの情緒を味わえる名作です。
- 作品名: F. ショパン – マズルカ第6番嬰ヘ短調作品7-1
- 英語名: F. Chopin – Mazurka in F-sharp minor, Op. 7, No. 1
- ポーランド語名: F. Chopin – Mazurek nr 6 fis-moll, op. 7 nr 1
- 調合: 嬰ヘ短調 / F-sharp minor / Fis-moll
- 作品番号: 7-1
- 作曲年: 1830-1832年
- 出版年: 1832年
- 初出版社: モーリス・シュレジンガー(Maurice Schlesinger)
- 楽器: ピアノ独奏曲
- ジャンル: マズルカ
- 演奏時間: 約2分半
練習のポイント
- マズルカ特有のリズム(アクセントを2拍目または3拍目に置く)を意識して演奏しましょう。
- 曲全体に少し自由な間(ルバート)を取り入れると、ショパンらしい風情が感じられます。
5. エチュード第2番 ヘ短調 作品25-2
ショパンの練習曲の中でも比較的短く、初心者でも挑戦しやすい作品です。右手の繊細なパッセージと左手の支えが美しく調和し、上品な響きを生み出します。
- 作品名: F. ショパン – エチュード第2番ヘ短調作品25-2
- 英語名: F. Chopin – Étude in F minor, Op. 25, No. 2
- ポーランド語名: F. Chopin – Etiuda nr 2 f-moll, op. 25 nr 2
- 調合: ヘ短調 / F minor / F-moll
- 作品番号: 25-2
- 作曲年: 1835年
- 出版年: 1837年
- 初出版社: モーリス・シュレジンガー(Maurice Schlesinger)
- 楽器: ピアノ独奏曲
- ジャンル: エチュード
- 演奏時間: 約2分
練習のポイント
- 右手の細かい動きに集中し、軽やかに弾くことを心がけましょう。練習の際はテンポを落として、動きの正確さを優先してください。
- 左手の和音を安定して響かせ、全体のバランスを取ることが大切です。
まとめ
初心者でも弾けるショパンの名曲をご紹介しましたが、どれもピアノの魅力を存分に感じられる素晴らしい作品ばかりです。ショパンの音楽に触れることで、演奏技術だけでなく表現力も養われます。ぜひ、今回の5曲に挑戦してみてください!
ショパン音楽教室では、初心者から上級者まで丁寧にサポートしています。興味がある方はお気軽にお問い合わせください!一緒にショパンの音楽を楽しみましょう!
こんにちは!ショパン音楽教室の末次弘季です。ショパンが生まれ育った街 ポーランド・ワルシャワでピアニストとして演奏活動をしています。月に数十回以上コンサートをしているので、是非いらしてください!
今回は、ショパンの名作「バラード第3番 変イ長調 作品47」の演奏のポイントや難易度を含め、初心者から上級者、愛好家の方向けに詳しく解説します。この作品は、ショパンの優雅な音楽性と叙情性を存分に味わえる一曲として、多くのピアニストやクラシック音楽ファンに愛されています。本記事では、その歴史的背景や特徴、そして演奏のポイントをわかりやすくお伝えします。
ショパンの「バラード」とは?
ショパンは、「バラード」という形式を器楽音楽に取り入れた最初の作曲家です。本来「バラード」は、叙事詩やその詩に音楽をつけた歌曲を指していましたが、ショパンはピアノを通じてその物語性や情景描写を表現しました。特に彼のバラード4曲は、それぞれ独自の雰囲気とストーリーを持ちながらも、聴く人の心を深く揺さぶる作品となっています。
ショパンはこれらのバラードを作曲する際、ポーランドの詩人アダム・ミツキエヴィチやドイツの詩人ハインリヒ・ハイネの詩に触発されたと言われています。たとえば、バラード第3番に関しては、「水の精」の物語に関連していると伝えられています。このように、詩的なイメージがショパンの音楽に深く影響を与えているのです。
バラード第3番の背景と特徴
- 作品名:F. ショパン – バラード第3番変イ長調作品47
- 英語名:F. Chopin – Ballade in A-flat major, Op. 47
- ポーランド語名:F. Chopin – Ballada nr 3 As-dur, op. 47
- 調合:変イ長調 / A-flat major / As-dur
- 作品番号:47
- 作曲年:1840年
- 出版年:1841年
- 初出版社:シュレジンガー(Schlesinger)
- 献呈先:ポリーヌ・ドゥ・ノアイユ嬢(Pauline de Noailles)
- 楽器:ピアノ独奏曲
- ジャンル:バラード
- 演奏時間:約7分
作曲の背景
バラード第3番は、ショパンが1840年から1841年にかけて作曲し、当時のパリ社交界で活躍していたポーリーヌ・ド・ノアイユ嬢に献呈されました。この時期のショパンは比較的穏やかで幸福な生活を送っており、その気持ちがこの作品にも反映されています。
曲の構造
このバラードは、大きく分けて3部形式を基調としながら、中間部にロンド形式の要素を含む独特な構成となっています。ソナタ形式に似た部分もありますが、自由な展開が印象的であり、形式にとらわれないショパン独自の作曲スタイルが見られます。
冒頭のテーマは「メッザ・ヴォーチェ(控えめに歌うように)」と指示され、まるで男女の対話を思わせるような優雅で温かい旋律が特徴です。この主題は作品全体を通じて何度も現れ、聞き手に深い印象を残します。
演奏のポイントと難易度
難易度
バラード第3番は、ショパンのバラードの中では比較的演奏しやすいとされていますが、それでも高度なテクニックと音楽的表現力が求められます。特に、中間部の動きの多いパッセージや、繊細なダイナミクスのコントロールは、初心者には難易度が高いでしょう。
演奏のコツと実践的な練習方法
1. 冒頭テーマの表現力
冒頭部分のメロディは、「メッザ・ヴォーチェ(控えめに歌うように)」の指示がある通り、繊細で詩的な表現が求められます。この箇所は、演奏者自身の個性が特に際立つ部分でもあります。
練習方法:
- フレーズごとに強弱を意識する練習
フレーズの最初の音を弱く(ピアニッシモに近く)始め、徐々に音量を増やして自然な流れを作ります。録音して自分の演奏を聴き直すことで、音の変化が滑らかになっているか確認しましょう。
- 片手ずつの練習
右手でメロディを演奏する際、左手の伴奏を省いて音のバランスやタッチを細かく調整します。その後、左手を加えてもメロディが埋もれないよう意識しましょう。
- 歌詞をつけるイメージで弾く
実際に歌を口ずさむようなイメージで、自然な呼吸感を演奏に取り入れます。メロディの中に“語り”を感じさせるニュアンスを付けると、より詩的な表現が可能です。
2. 中間部のテクニック(動きの多いパッセージ)
中間部では、急速なパッセージやリズムの変化が特徴的です。この部分をスムーズに演奏するためには、指の動きを安定させる練習と、全体のテンポ感を掴むことが重要です。
練習方法:
- テンポを落として練習
まずはメトロノームを使用して、通常のテンポの半分程度でゆっくりと練習します。全ての音が均等に聴こえるようにし、指の運びが安定したら徐々にテンポを上げていきます。
- 片手ずつリズム練習
左手のリズムを一定に保ちながら、右手の急速なパッセージを演奏します。片手ずつリズムを確実に捉えることで、両手を合わせたときのズレを防ぎます。
- 分割練習
長いパッセージを2~3小節ごとに区切り、それぞれのセクションを正確に弾けるようにします。部分的にマスターしてから通して練習することで、完成度を高められます。
3. フィナーレの盛り上がり
フィナーレ部分は、この曲のクライマックスであり、演奏者の感情表現が特に重要です。しかし、熱くなりすぎると音が濁る可能性があるため、冷静さを保ちながら演奏することが求められます。
練習方法:
- ペダルコントロールの練習
ペダルを深く踏みすぎると音が濁る原因になります。浅く踏む練習や、使用を最小限に抑えた演奏で音の明瞭さを保つことを心がけましょう。
- 音量の幅を意識
クライマックスでは大きな音を出そうと力みがちですが、フォルテでも「響き」を意識し、鍵盤を押し込むのではなく跳ね返る感覚で演奏します。
- フィンガーストレングス練習
クライマックス部分の和音の連続では、指先の独立性を保つことが重要です。一つ一つの和音を明確に発音するために、和音をゆっくり分解して練習します。
最後に
これらの練習方法を通じて、曲の魅力をより深く理解し、ショパンが意図した詩的な雰囲気を表現できるようになります。部分練習を根気強く続けながら、曲全体を通して一貫した物語性を感じさせる演奏を目指してください!
バラード第3番が生み出す「物語」
ショパンのバラード第3番には、明確なストーリーはありませんが、演奏者や聴衆それぞれが自由に情景や感情を想像する楽しみがあります。一部の研究者は、この曲がミツキエヴィチの詩「シフィテジャンカ」や、ハイネの「ローレライ」といった水の精にまつわる物語から着想を得た可能性を指摘しています。そのため、この作品には水面のような透明感や、人間の感情の深みが感じられるのです。
1. ショパンの手紙や生涯についての研究
ショパン自身は、特定のプログラム(物語や情景)を音楽に直接結びつけることはあまりせず、抽象的な感情表現を重視していました。そのため、バラード第3番にも明確なストーリーがないと考える研究者が多いです。たとえば、ショパンの伝記作家として有名な アダム・ザモイスキ (Adam Zamoyski) や アーサー・ヘドレー (Arthur Hedley) などが、ショパンの作品が詩的で感情的である一方、具体的な物語に縛られないと指摘しています。
2.バラードという形式の特性
音楽学者の中には、ショパンのバラードがロマン派文学に着想を得ていると考える人もいますが、具体的な物語(例えば、ミツキェヴィチの詩)が音楽そのものに組み込まれている証拠は見つかっていません。たとえば、音楽学者の ジム・サンプソン (Jim Samson) は、ショパンのバラードを「文学的影響を受けたが、プログラム音楽ではない」と位置づけています。
3.演奏家や批評家の見解
演奏家や評論家の間でも、「明確なストーリーはないが、感情的な旅を描いている」という解釈が一般的です。これはショパンの音楽が具体性よりも詩的抽象性を重視しているからです。
楽譜
IMSLPで閲覧可能です。エキエル版やパデレフスキ版を閲覧することができます。
まとめ
ショパンのバラード第3番は、詩的な雰囲気と技術的な挑戦が共存する名曲です。その優美な旋律と深い表現力は、多くの人々を魅了し続けています。ピアノを愛する方にとって、この曲を学ぶことは、自身の音楽的成長に大きく貢献するでしょう。
演奏に挑戦する際は、ぜひこの記事でご紹介したポイントを参考にしてみてください!
第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール(ショパン国際古楽器コンクール)が、いよいよ10月6日(金)に開幕しました。予備審査での厳正な審査で選ばれた35人の出場者のうち、日本人が最多の10名、次いで開催国のポーランドが6人と、14か国35人のピアニストが出場者に選出されました。10月8日、1次予選通過者が15名発表されました!
ポーランド在住歴5年のピアニストのKoki Suetsuguです!コンクール開催国のワルシャワを拠点に、月20回ほどショパンリサイタルをしています。
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10月8日更新
※2次予選進出者が発表されました!
ピリオド楽器コンクールについて
ピリオド楽器コンクールは、ショパンが生きている当時のピリオド楽器(古楽器)を用いて演奏するというコンクールです。第1回(2018年)では日本人の川口成彦さんが第2位に入賞しています。
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2次予選進出者
2次予選進出者が10月8日に発表されました!日本からは1名、ポーランドから3名、イタリアからは2名など大健闘です!
- Alice Baccalini さん (イタリア)
- Joanna Goranko さん (ポーランド)
- Eric Guo さん (カナダ)
- 鎌田紗綾 (Saya Kamada) さん (日本)
- Hyunji Kim さん (韓国)
- Mariia Kurtynina さん (ロシア)
- Nicolas Margarit さん (オーストラリア/スペイン)
- Martin Nöbauer さん (オーストリア)
- Piotr Pawlak さん (ポーランド)
- Kamila Sacharzewska さん (ポーランド)
- Jannik Truong さん (ドイツ)
- Ludovica Vincenti さん (イタリア)
- Derek Wang さん (アメリカ)
- Angie Zhang さん (アメリカ)
- Yonghuan Zhong さん (中国)
出場者
2023年7月、予備審査にて厳正な審査で、35名の出場者が選出されました。なんと日本人が最多の10名、次いで開催国のポーランドが6人と、14か国35人のピアニストが出場者に選出されました。
日本 (10名)
- 早川結奈 (Yuina Hayakawa) さん (日本)
- 林雪乃 (Yukino Hayashi) さん (日本)
- 飯島 聡史 (Satoshi Iijima) さん (日本)
- 鎌田紗綾 (Saya Kamada) さん (日本)
- 西本裕矢 (Yuya Nishimoto) さん (日本)
- 大井駿 (Shun Oi) さん (日本)
- 小野田有紗 (Arisa Onoda) さん (日本)
- 坂巻貴彦 (Takahiko Sakamaki) さん (日本)
- 東海林茉奈 (Mana Shoji) さん (日本)
- 髙橋奈緒 (Nao Takahashi) さん (日本)
ポーランド (6名)
- Aleksandra Bobrowska さん
- Aleksandra Hortensja Dąbek さん
- Joanna Goranko さん
- Piotr Pawlak さん
- Kamila Sacharzewska さん
- Andrzej Wierciński さん
韓国 (2名)
- Hyunji Kim さん
- Song-Ha Kim さん
ロシア (2名)
- Mariia Kurtynina さん
- Viacheslav Shelepov さん
オーストラリア (2名)
- Nicolas Margarit さん (スペイン)
- Oscar Jiang さん
アメリカ (2名)
- Derek Wang さん
- Angie Zhang さん
中国 (2名)
- Chaojun Yang さん
- Yonghuan Zhong さん
カナダ (1名)
オーストリア (1名)
フランス (1名)
ベルギー (1名)
ドイツ (1名)
日程
10月6日に開幕するコンクールのスケジュール・日程は以下の通りです。
- 1次予選: 10月6~8日
- 2次予選: 10月10~11日
- ファイナル: 10月13日~14日
- コンサート: 10月15日
演奏順は名前の順で、10月3日に抽選会があり、“W”から始まる名前の方から演奏することが決定いたしました!
10月6日 午前の部
10:00~14:30
- Derek Wang さん (アメリカ)
- Andrzej Wierciński さん (ポーランド)
- Chaojun Yang さん (中国)
- Angie Zhang さん (アメリカ)
- Yonghuan Zhong さん (中国)
- Alice Baccalini さん (イタリア)
10月6日 午後の部
- Aleksandra Bobrowska さん (ポーランド)
- Aleksandra Hortensja Dąbek さん (ポーランド)
- Simone El Oufir Pierini さん (イタリア)
- Joanna Goranko さん (ポーランド)
- Eric Guo さん (カナダ)
- 早川結奈 (Yuina Hayakawa) さん (日本)
10月7日 午前の部
- 林雪乃 (Yukino Hayashi) さん (日本)
- 飯島 聡史 (Satoshi Iijima) さん (日本)
- Oscar Jiang さん (オーストラリア)
- 鎌田紗綾 (Saya Kamada) さん (日本)
- Hyunji Kim さん (韓国)
- Song-Ha Kim さん (韓国)
10月7日 午後の部
- Mariia Kurtynina さん (ロシア)
- Nicolas Margarit さん (オーストラリア/スペイン)
- Danilo Mascetti さん (イタリア)
- 西本裕矢 (Yuya Nishimoto) さん (日本)
- Martin Nöbauer さん (オーストリア)
- 大井駿 (Shun Oi) さん (日本)
10月8日 午前の部
- Madoka Okada さん (フランス)
- 小野田有紗 (Arisa Onoda) さん (日本)
- Piotr Pawlak さん (ポーランド)
- Kamila Sacharzewska さん (ポーランド)
- 坂巻貴彦 (Takahiko Sakamaki) さん (日本)
- Viacheslav Shelepov さん (ロシア)
10月8日 午後の部
- 東海林茉奈 (Mana Shoji) さん (日本)
- Dávid Szilasi さん (ベルギー)
- 髙橋奈緒 (Nao Takahashi) さん (日本)
- Jannik Truong さん (ドイツ)
- Ludovica Vincenti さん (イタリア)
この記事では、ショパンのエチュード(練習曲)の作品10の全12曲を、ショパン音楽大学在学のピアノ講師が作品解説いたします!難易度や演奏法なども、この記事でまとめました。
ショパン音楽大学に在学中の末次です!オンラインピアノレッスン、好評受付中です!
ショパンのエチュードについて
エチュードは“練習曲”を意味しますが、ショパンのエチュードは、ハノンやソナチネなどのようにテクニックの習得を目指すだけでなく、和声進行が素晴らしく非常に美しいメロディーで、コンサートでも演奏されることがあるなど、音楽的にも非常に評価されている楽曲です。
ショパンが作曲した練習曲は、作品10と25のそれぞれ12曲ずつ、そして作品番号のない新練習曲が3曲の、あわせて27曲残しています。
このページでは、ショパンのエチュード作品10の全曲解説をいたします。
エチュード作品10について
前の曲との調性関係を見てみると、ショパンの意図がしっかりと読み取れます。
前の曲との調性関係
- 第1番 ハ長調
- 第2番 イ短調 (平行調)
- 第3番 ホ長調 (同主調の属調)
- 第4番 嬰ハ短調 (平行調)
- 第5番 変ト長調 (同主調の下属調)
- 第6番 変ホ短調 (平行調)
- 第7番 ハ長調
- 第8番 へ長調 (下属調)
- 第9番 ヘ短調 (同主調)
- 第10番 変イ長調 (平行調)
- 第11番 変ホ長調 (属調)
- 第12番 ハ短調 (平行調)
ショパンはバッハをとても尊敬しており、平均律クラヴィーア曲集を敬愛していました。
この作品10では、その平均律クラヴィーア曲集のような調性関係の構成を目指していたともいわれています。
作品10も平均律曲集と同じように、長調・短調と交互に構成するはずだと思いますが、7番と8番が長調で続いてしまっている部分は、予定通りにいかなかったのではないかと推測されています。
数年後に作曲したとされる「24の前奏曲」では、平均律曲集のようにすべて異なる調性で書かれています。
作曲の経緯
ショパンは、ピアノ協奏曲を作曲し始めていた中、ショパン自身も協奏曲の演奏の難しさに嘆いていました。
そのような協奏曲という大作を作曲する過程で、
協奏曲がうまく演奏できるように、練習曲を作りたい!
と思ったショパンは、練習曲の作曲をはじめました。
このエチュード作品10は、フランツ・リストに献呈されています。
“エチュード”名づけた経緯
元々の名前は
“エクササイズ”?!
元々自分のために練習曲を作曲していたショパンは、当初この練習曲を「エクササイズ」と名付けていました。
しかし、世に出す際に「エチュード」(練習曲)と名付けたそうです。
元々練習曲といえば、技巧的な部分の問題点を改善するためのものとされていましたが、
ショパンは高度な技巧だけでなく、メロディーやハーモニーの美しさを重要視して、大作を演奏するうえで必要なあらゆる練習を取り入れたいと思い、このような美しく素晴らしい練習曲が完成しました。
作品解説
こちらでは、作品10と25のエチュードをそれぞれ1曲ずつ解説いたします!
作品10-1
難易度: 5.0
右手の拡張
作品10-1は、人気アニメ「ピアノの森」のオープニング曲に使われているなど、最近特に演奏機会が多く人気な曲ですが、演奏者にとっては非常に難易度の高い曲です。
この曲は。右手は常に指と指の間を広げていなければならないため、特に手が大きく、指の長い方には比較的弾きやすいと思います。
この曲を練習することで、右手の拡張が出来るようになります。
中間部の短調の部分が特に技術的に難易度が高いため、まず最初のハ長調の部分から徐々にゆっくり練習していきましょう。
演奏のポイント
右手は、手先だけで弾き続けると途中で疲労が溜まってしまうため、手首や肘の脱力がとにかく大事です!
右手の上昇下降の際にクレッシェンド・ディクレッシェンドをつけることで音楽の幅を広げることができます。
また、和声変化が多いため、右手だけを聴くのではなく、左手のオクターブで和声変化を音楽的に表現することで、さらにコントラストを付けることが出来ます!
作品10-2
難易度: 5.0
右手の3,4,5指の独立
作品10-2は、聴いているだけだと気付きにくいですが、個人的に最も難易度が高いと感じる曲です。
右手の3,4,5指の半音階によって上昇下降を繰り返す曲です。右手3,4,5指の独立を目指す曲ですが、それに加えて同時に、右手の1,2指の和声を弾くことが求められます。
演奏のポイント
①ゆっくり練習
テンポを落として、縦のラインをそろえることを意識して練習することをおすすめします。
②分けて練習
テンポを落とした状態で1,2指の内声と3,4,5指の半音階を分けて練習することも大事だと思います!
③指番号の工夫
楽譜に記載されている指番号を一つの参考としながら、自分に合った指番号を考えながら練習しましょう。
作品10-3 “別れの曲”
難易度: 3.5
厳密なレガート
日本ではテレビCMなどで多く使われているこの作品10-3「別れの曲」は、日本で最も有名なショパンの楽曲のひとつです。
ショパンのエチュードの特徴である、和声の美しさが光る一曲です。
日本人なら誰もが知っているこの名曲ですが、この曲を演奏するうえで最も重要なことは、メロディーラインを厳密なレガートで演奏することです。
ちなみに、この「別れの曲」という名前はショパンが名付けたわけではなく、ショパンを描写したドイツ伝記映画「別れの曲」 (1934年)でこの曲が使われたことで呼ばれているようです。
日本人の心も掴んだこの美しい旋律ですが、ショパン自身も献呈したリストに、「こんなに美しい旋律を、今まで書いたことがなかった」と言っていたようです。
演奏のポイント
①冒頭・最後
メロディーラインの厳密なレガート、内声は機械的にならないように演奏しましょう。
②中間部
冒頭のテーマの美しさを崩さないように、あくまでメロディックに演奏しましょう!
作品10-4
難易度: 4.0
あらゆる技巧が
求められる曲
作品10-4は、ショパンのエチュードの中で最も人気なエチュードのひとつです。
ドラマ「のだめカンタービレ」など多くの場面で演奏される曲のため、多くの人が憧れる一曲ですが、あらゆる技巧が求められる難易度の高い曲です。
右手も左手も高速な16分音符のパッセージが続き、小さいトリルなども出てくるため、両手の様々な技術が必要になります。
聴いてみると情熱的なロマン派音楽でしかないと思いますが、速い16分音符のパッセージが左右を交差するように登場するあたり、バッハ的な要素もある曲です。
演奏のポイント
表記されている強弱記号をよく見て、曲全体にコントラストをつけましょう。
テンポが揺れやすい曲のため、演奏する前に頭の中でテンポを決めたうえで、冒頭のアウフタクトを意識して演奏しましょう。
作品10-5 “黒鍵のエチュード”
難易度: 3.5
文字通り
「黒鍵のエチュード」
黒鍵のエチュードも、演奏機会がやや多い練習曲です。
右手はほとんど黒鍵のみ打鍵する、演奏者にとってはとても変わった曲です。なお、左手はよく白鍵の和音が出てくる部分があります。
ショパンはこの曲に対して、「この曲は、黒鍵ばかり弾く曲だと知らなければ、なにも音楽性もないつまらない曲」と言っていたそうです。
技術的には、ほかのエチュードに比べるとそこまで難易度が高いわけではないのですが、しっかり粒が揃ったような音で弾くことがとても大事なため、決して簡単ではありません。
演奏のポイント
右手はバタバタさせずに、手のフォームがなるべく崩れないように弾きましょう。
グッと力んだら音が重くなるので脱力して華やかな音色を出すことを心がけましょう!
作品10-6
難易度: 3.0
音楽的な感覚を
習得するための練習曲
ショパンのエチュードの中ではあまり演奏機会のない曲ですが、音楽的な感覚が要求される練習曲です。
右手で旋律、左手で伴奏と、非常にシンプルなこの曲は技術的には最も易しい曲のひとつですが、音楽的には難易度の高い曲です。
暗い曲調の中でも、重苦しさや悲痛さといった、さまざまなネガティブな感情が入り混じっているようなイメージで弾くとよいでしょう。
演奏のポイント
機械的にならず、大きなメロディーライン、フレーズを感じながら演奏しましょう。
決して前のめりにならず、しかし流れをとめずに演奏することが大切です。
作品10-7
難易度: 4.5
右手の和音の
ための練習曲
この練習曲の難易度は、手首の柔軟性や手の大きさ、指の大きさなどにより、人によって得意・不得意の分かれる曲です。
右手のメロディーラインを意識する必要があります。まずメロディーラインのみ練習してみてはいかがでしょうか。
演奏のポイント
右手ばかりにフォーカスを充てがちですが、左手で曲を引っ張っていくようなイメージで弾きましょう。
右手の細かい動きが平坦にならないようにすると、曲に高揚がつき、華やかさがつきます。
作品10-8
難易度: 4.0
右手の柔軟を目指す練習曲
ショパンコンクールでもよく演奏される曲のひとつです。
メロディーラインは左手ですが、右手の速い16分音符のアルペジオをいかに軽やかに弾くかがポイントです。
演奏のポイント
手首と腕の脱力を心がけましょう。柔軟な動きをうまく使って弾けると綺麗に聴こえます。
左手のリズムや強弱を表現豊かに演奏すると面白さが増します。
作品10-9
難易度: 3.5
左手のための練習曲
左手首の柔軟性と、それぞれの指を広げるための練習曲です。
他のエチュードと比較するとややレベルは易しいため、最初に弾くショパンのエチュードとして選ばれることが多く、初めての方にはおすすめです。
演奏のポイント
左手の真ん中の指を起点に、左右にスライドさせるように演奏しましょう。
その際に左手の親指のラインと右手のメロディ両方をハモるように弾きましょう
作品10-10
難易度: 5.0
右手の分散6度
のための練習曲
とても華やかなこの曲ですが、非常に難易度の高い練習曲のひとつです。
中間部の転調部分は技術的に演奏が特に難しいですが、音楽的には最大のポイントな部分です。
技術的な面に限らず、音楽的にも非常に評価されている、隠れ名曲のひとつです。
演奏のポイント
右手のアクセントの場所とフレーズ、アーティキレーションが変化する曲なので、よく把握してフォームを崩さずに演奏しましょう。
作品10-11
難易度: 3.0
両手の幅広い
アルペジオの練習曲
この曲は、両手の幅広いアルペジオを美しく奏でるための練習曲です。
まるでハープのような流れる音色を奏でられたら最高ですね!
演奏のポイント
腕と手首の柔軟さを意識しながら、メロディーラインが途切れないように歌って弾きましょう。
作品10-12 “革命”
難易度: 3.5
左手の細かな動き
ショパンが残した楽曲の中で最も有名な曲のひとつ「革命のエチュード」。
ショパンの祖国ポーランドがロシアに支配されていた当時、ショパンは周囲の勧めでポーランドを離れていました。
そんなさ中、ロシア軍に対する革命に失敗してポーランド軍が鎮圧されてしまいました。
家族や友人が殺されてしまうのではないかという不安や怒りの感情で、荒れ狂ってピアノに向かっていたショパン。
そんな中できた曲がこの「革命のエチュード」なのだそうです。
この曲は右手の主題が非常に有名ですが、主に左手の速い16分音符のアルペジオのための練習曲です。エチュードの中で唯一序奏のある楽曲です。
演奏のポイント
右手の有名な主題を引っ張っていくように左手の練習が特に重要です。
特に左手は手首を柔軟にして演奏しましょう。
難易度まとめ
作品番号 |
難易度 |
10-1 |
5.0 |
10-2 |
5.0 |
10-3 (別れの曲) |
3.5 |
10-4 |
4.0 |
10-5 (黒鍵のエチュード) |
3.5 |
10-6 |
3.0 |
10-7 |
4.5 |
10-8 |
4.0 |
10-9 |
3.5 |
10-10 |
5.0 |
10-11 |
3.0 |
10-12 (革命のエチュード) |
3.5 |
楽譜
ショパンの楽譜の選び方
エキエル版
信頼性のある原典版が1冊あるといいと思います。
エキエル版は、長年研究や多くの資料を参考にして作られており、ショパンの意図に最も近い楽譜と言われています。ショパンをしっかり勉強したいピアニストや音大生の方などにはおすすめです。
パデレフスキ版
校訂版であるパデレフスキ版は、多くのピアニストが使っており、代表的なショパンの楽譜といえばパデレフスキ版ともいわれていました。
無料楽譜
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